不動産鑑定士という職業は聞いたことがありますか?

不動産鑑定士になるには、どこの学校に行けばいいのだろう?

年収は良さそうだけど、不動産鑑定士になるのは難しそうだな…
など、疑問をお持ちでしょうか。
そんなぼんやりとしか思いつかない不動産鑑定士について、どんな職業なの?必要な試験は?
など疑問を解決したします。
不動産鑑定士とはどんな職業?
不動産鑑定士とはその名の通り、不動産を鑑定し評価する人のことです。
簡単にいうと、不動産の値段をつける人を指します。
鑑定書を書けるのは不動産鑑定士だけ
不動産鑑定士の仕事内容は、すべて「不動産鑑定評価に関する法律」に規定されています。
先ほど挙げた不動産の鑑定評価もこの法律に定義づけされています。
さらに不動産の鑑定評価は、不動産鑑定士の独占業務となっています。
・不動産の鑑定評価に関する法律第36条(不動産鑑定士でない者等による鑑定評価の禁止)
- 不動産鑑定士でない者は、不動産鑑定業者の業務に関し、不動産の鑑定評価を行ってはならない。
- 不動産鑑定業者は、その業務に関し、不動産鑑定士でない者に不動産の鑑定評価を、第四十条第一項又は第二項の規定による禁止の処分を分けた物に鑑定評価業務を行ってはならない。
と法律で定められています。
この法律を犯すと厳重な罰則がありますので、注意してください。
不動産鑑定士になるには?
不動産鑑定士になるには、まず国家試験に合格することが必要です。
不動産鑑定士の資格は三大国家試験の一つ
不動産鑑定士の国家試験は、現在日本で実施されている国家試験の中で最も難易度が高いといわれています。
弁護士、公認会計士に並ぶ三大国家試験の一つです。
そのうえ国家試験を合格した後に実務実習を行います。
その実務実習が終了考察され、終了が確認されることで不動産鑑定士の登録を行うことができるのです。
不動産鑑定士の国家試験は、1次試験の短答式試験、2次試験の論文式試験となっています。
この国家試験を取得するためには、不動産鑑定士の国家試験の対策をしている専門学校や予備校に通い試験にのぞむをおすすめします。
先ほども申し上げましたが、この国家資格はかなり難易度が高いため受験を決めたら相当な覚悟が必要です。
豊富な知識を求められるので、不動産に関する知識はもちろんながら金融関係や会計の知識が必要となります。
不動産鑑定士の種類
不動産鑑定士の資格は関連する資格が存在します。
一般的に、管理業務責任者・マンション管理士・宅地建物取引主任者は関連の資格に入ります。
この資格は不動産業界に携わる者であればたくさんの方が取っている資格です。
その流れで不動産鑑定士を目指す方が多いのではないでしょうか。
当然、不動産鑑定士の資格のほうが上位になるのですが、試験内容や出題の形式などが似ているため勉強がしやすいといわれています。
不動産鑑定士は食いっぱぐれない?年収は?
厚生労働省が発表する「平成28年度賃金構成基本統計調査」によると、平均月収が43万3,500円、年収にすると平均692万7,300円で年間のボーナスが平均172万5,300円となっています。
国税庁の調べによる平成26年度の給与取得者の平均の年収が415万ですので、不動産鑑定士は弁護士や税理士のようにかなり高い年収だということがわかりますね。
近年では、年収500万円台後半~800万円台を推移しているので多少の変動は見受けられます。
不動産鑑定士の【食える・食えない】就職先は?
不動産鑑定士の国家試験を取得した後の大半は、不動産鑑定事務所です。
不動産鑑定事務所とは、主に不動産の鑑定評価とコンサルティング業務を行っています。
あるいは信託銀行や生命・損害保険会社等の金融機関や建設会社鉄道会社、コンサルティングファームなどの会社も採用されやすくなっております。
さらに近年自然災害が多発している日本では、社員に対して不動産鑑定士の資格取得を義務にしている企業もあるようです。
この業界に就職や転職を目指すのであれば、不動産鑑定士の資格は非常に有利な資格といえるでしょう。
とくに大企業では不動産鑑定士の採用を積極的に行っているので就職で悩むことは少ないといえます。
少し業界的な裏話をすると、知り合いの鑑定士に大企業を得意先にして、企業が所有する不動産の鑑定評価をよく行なっている方がいます。
鑑定士に依頼する不動産鑑定書は安くなく、安くても20万円程度はしますが、企業はこれを決算の時などに利用します。
不動産鑑定士も公的な仕事(地価公示など)では、実際の鑑定価格を書きますが、民間の仕事は顧客への忖度が働きやすい状況となっています。
企業とWin-Winの関係が作れていますし、不動産鑑定士自体が少ないので、

すごいな不動産鑑定士。食いっぱぐれることはない仕事なんだな!
と個人的にも思っています。
これから世の中のAI化により、どれだけ鑑定士の仕事が奪われるかはわかりませんが、おそらくAIは忖度した鑑定評価をしてくれないでしょう。
そうなると、かなりの企業や個人が困る事になるのは目に見えています。
不動産鑑定士は食いっぱぐれない|まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、不動産鑑定士についてご紹介しました。
不動産の価値はいろいろな要素が重なり、常に変動しているものです。
よって専門の知識を有する人でなければ、正しい不動産の価格を算出することはできません。
仮に不動産鑑定士の資格を持たない人が間違った不動産の価格を算出してしまった場合、非常に不公平な状況になってしまうことになりかねません。
公的な仕事や企業・弁護士などのクライアントが多く、不動産鑑定評価を一個人が実際に依頼するということは相当少ないかもしれません。
しかし日本に住んでいる以上、不動産鑑定士に間接的に関わっているのです。
そんな縁の下の力持ちのような職業を皆さんも目指してみてはいかがでしょうか。
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